フィリピン・ダバオ市日系・八木学園で入学式

 これまで、本誌上で、フィリピンの教育制度改革が進められており、中等学校と大学の間に、新たにシニアハイスクールを設けるようになったことを紹介してきました。
 この政策に沿って、今年、フィリピン・ダバオ市の日系・八木学園でも6月に2年制のシニアハイスクールが発足しました。2005年、わずか8名の幼稚園からスタートした八木学園(当時は八木幼稚園)ですが、小学校、中学校と拡充し、このたび制度改革にあわせて、中等学校の上にシニアハイスクールをスタートさせたものです。シニアハイスクールの発足で、生徒数も280名に達しました。
 6月16日、ダバオ市郊外のバンカス校舎で開かれた入学式には、生徒や父兄、関係者ら約300名が出席しました。

創立者の八木眞澄氏のあいさつ        各学年の催し物で入学式も盛況

   先達徳男氏が設立を支援

 式典では創立者の八木眞澄氏やシニアハイスクールのレイア総責任者の挨拶の後、このスクールの設立を支援してきた先達徳男(せんだつ のりお)氏も日本から駆けつけ「13年で、こんなに大きくなった八木学園の更なる成長が楽しみです」と祝辞を述べました。先達氏は東京や千葉で介護施設を営むかたわら、たびたびダバオに足を運び、財政的にはまだ十分ではない、八木学園を支援してきました。
 以前、本誌で自らは中古の軽自動車に乗りながら、高級外車が買えるほどの支援をしていることを紹介しました。その後、車は買い換えましたかとの問いに対しては「レクサスは買えないけど、ホンダN・BOXにバージョンアップしました」と笑顔で返してきました。
ちなみにN・BOXも軽自動車です。

 図書館は菊地民雄氏が支援

 また、先達氏の友人で同じく千葉や神奈川で介護施設を営む菊地民雄氏も式典に駆けつけ、シニアハイスクールの図書館の書籍等を寄贈し、「菊地ライブラリ」と名付けられました。フィリピンでは学校設立の基準のなかに、図書館の設置と蔵書についても必須条件があります。スクール設立だけでも大変だという実情を受けて、菊地氏が図書館施設と蔵書の支援を申し出たものです。両氏はこれまでも、小学校の校舎増設などの支援を行っており、生徒の成長に合わせるように支援を継続しています。

今年の式典では、フィリピン版スター誕生のテレビ番組で優勝し、今やフィリピン中の人気者になった 7年生(中1)のモニカさんが妹と共に歌を披露したほか、幼稚園、小学生、中等生など各層のアトラクションも相次ぎ、華やかなセレモニーとなりました。

                                (坂内 正)

シニアハイスクール施設を支援した先達徳男氏   今やフィリピン中の人気者・モニカさん(左)と妹
  

   ミンダナオ国際大学(MKD)も3年振り入学式

 同じく、フィリピン・ダバオ市の日系・ミンダナオ国際大学(MKD)の入学式も6月14
日、同大学講堂で開かれました。
 今年の入学者は101名ですが、最近の情勢を反映してか、約7割が日本語学科を選択しています。今年の入学式ではイネス・マリャリ学長のほか、ダバオ日系人会のエスコビリヤ会長、日本領事館の三輪芳明領事らも来賓として出席し、祝辞を述べました。
 MKDも今年から教育制度改革に沿っての編成になりました。2年間入学式がなく、3年振りに迎えた新入生はほとんどが18歳で、それまでの16歳入学の学生より大人びた感じです。今年度から18歳入学、22歳卒業という他の先進国と同じ大学制度になります。

MKDの入学式は同大学講堂で開かれた          入学式であいさつイネス学長

 
三輪 芳明在ダバオ領事                  エスコビリヤ・ダバオ日系人会長